10年ひと昔

女子高時代3年間、同じクラスだったアキラちゃん。

今となっては時代を感じさせる話だけど、
当時は地上げ屋のおっさん以外、
まだほとんどの人が持っていなかったケータイを
学校指定のバッグにいれて持ってきていて、
まるで子機のような大きさの、そのケータイを
持たせてたのはバブル臭漂う、怪しげな青年実業家で、
その人と付き合っていたアキラちゃん。

そのカレとのキワドイ（というか完全にモロ写り）写真を
こっそり見せてくれたり、
当時アキラちゃんがチーマーだったおかげで、
何かと便宜を図ってくれたり、
オトナの世界を垣間見せてくれたものだった。

そんなアキラちゃんだから、もちろん今でも
マトモな仕事してるわけはないんだけど、
その「お仕事」の都合で、約束はお流れとなった。

「残念だわ〜」とは言ったものの、
本当のところ、心の中ではほっとしてた私。

約束の時間が近づくにつれ、
ちょっとめんどくさいなあと思い始めてたから。

そういうのってないですか？
約束はしたものの、
だんだんテンションさがっていくっていうか
めんどくさい気持ちになることって。

もちろんアキラちゃんのこと、嫌いじゃないし
会いたいとは思うんだけど、でも約束すると
その時間までが息苦しいというか、面倒というか・・・。

この先、アキラちゃんと無事再会できるのか、不安。