昔のオトコ、ヒデ

頭数合わせに参加した合コンで知り合った、ヒデ。

当方、全くやる気なく、渋々遅れての参加。

ところが、それが逆効果になってしまったらしく、
女子人気一番だったヒデが、一瞬にして落ちた。

マンガのように固まったままのヒデ。
そして、それを目の当たりにした女どもの冷たい視線。

「すいませんねえ、遅れてきといて一番オイシイ思いしちゃって」
とまあ、最初は笑えてたシチュエーションだったのだが、
お開きになっても、ヒデが私を帰してくれないのには閉口した。

どうやらヒデも、元々は合コンに乗り気ではなかったらしい。
確かに、参加してた男たちの中で異質な輝きを放っていて、
男幹事がコイツをダシにセッティングしたであろうことは
誰の目にも明らかな容姿だったけど、
それはそれ、厄介な関係にはなりたくなかった。
めんどくさいし。

しかしヒデのあまりにしつこさに、
ついつい関係を持ってしまった、意思の弱い私。

朝になり、やっちゃった〜と後悔した私は
連絡先を聞かれる前に逃げようとしたが、失敗。
帰ってからも、その日のうちに何度も電話が来る始末。

ああ、うぜえ。

その後もずるずると関係は続き、
何かあるたびにモノで引き止められ、
そのうち身の回りのものが全て貢物だらけになってしまった。

毎回コトが済んだ後は、私はすぐ寝ちゃって、
その間にヒデが食事を作ってくれ起こしてくれたり、
さっさと帰ったり、私の行動はまさに浮気してるオトコみたい。

何をやっても向かってくる様は、まさにおきあがりこぼし。

一方的に無理やり距離を置いた今も、しつこく連絡がくる。

今でも何か欲しいモノがある時だけ、
食事に行ってあげる代わりに、何か買ってもらっている。

でも、もうカラダの関係は全くない。
ありえない。
元々、カラダの相性がいいわけでもないし。
どんなにムラムラした時でも、ヒデとは嫌だ。